早いもので、本年も残すところわずかとなりました。
連日ニュースでは新型コロナウイルス関連の話題で持ち切りですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今年は自粛で忘年会も無くなり、また、実家への帰省も自粛で、ご家族だけでゆっくり過ごされる方も多いのではないでしょうか。
私も今年は自宅でゆっくり過ごそうと思っています。
さて、年末と言えば、新年を迎えるのに欠かせないのが除夜の鐘ですよね。
最近では近隣の方からの苦情や、コロナウイルス対策で自粛されるお寺もあるみたいですが、
そもそも除夜の鐘って何のためにつくの?と思いませんか?
以下Wikipediaより抜粋↓
”除夜の鐘(じょやのかね)は、日本仏教にて年末年始に行われる年中行事の一つ。12月31日の除夜(大晦日の夜)の深夜0時を挟む時間帯に、寺院の梵鐘を撞(つ)くことである。除夜の鐘は多くの寺で108回撞かれる。”
多くの寺院では、除夜の鐘が108回つかれています。この「108」という回数の理由は諸説ありますので、代表的なものを紹介します。
まず有名なのが、煩悩の数から来ているというものです。
では、108の煩悩とは何でしょうか。
諸説ある中よく知られたものとして、
煩悩とは、
「眼(げん:視覚)」
「耳(に:聴覚)」
「鼻(び:嗅覚)」
「舌(ぜつ:味覚)」
「身(しん:触覚)」
の五感+第六感ともいえる
「意(い:意識)」
による「六根(ろっこん)」から生じる心の働きによって生み出されると考えられています。
ここから起こる感情は
「好(こう:良い)」
「悪(あく:悪い)」
「平(へい:どちらでもない)」
の3つに分けられ、さらにその状態は
「染(ぜん:汚れたこと)」
「浄(じょう:清らかなこと)」
の2つに分けられます。
また、煩悩によって人は過去・現在・未来の「三世(さんぜ)」によって悩みや苦しみが続くと考えられており、つまり計算をすると、
6(六根)×3(良・悪・平)×2(染・浄)×3(三世)=108になるのです。
もう一つの説は、1年間を表しているというもの。
月の数の12、
「立春」や「夏至」などで知られる1年を季節ごとに細かく分類した「二十四節気(にじゅうしせっき)」の数の24、
二十四節気をさらに細かく分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」の数の72、
これらすべてを足した数が108になります。
なお、除夜の鐘をつく回数は108回と決まってはおらず、寺院によっては200回以上つくところもあります。
大晦日に鐘をつく理由も諸説あります。
仏教では煩悩を祓うことにより解脱し、悟りを開くことができるとされています。
本来は、日頃から仏教の修行を積むことによりこれらの煩悩(心の乱れ)を取り除き、
解脱することができる(悩みや苦しみや迷いから解放されて人間として究極の理想的な状態になる、あるいは悟りを開くことができる)のですが、
除夜の鐘には厳しい修行を積んでいない我々においてもこうした心の乱れや汚れを祓う力があるという信仰が現在まで伝わり、除夜の鐘の儀式となって続いています。
だから、普通の日ではなく、除夜、つまり大晦日に鐘を打つのですね。
今年は新型コロナウイルスのせいでイベントや旅行が中止になったり、
遠方の親戚や親しい人に会えなかったりで窮屈な思いをたくさんしましたが、
そんな悲しみや苦しみも除夜の鐘が癒してくれることを感じながら新年を迎えたいと思います。